makko_fractus 風の中を

makko_fractus 音楽と心と体

バグダッド・カフェ

アマプラで

バグダッド・カフェを初めて見た

当時あの印象的なポスターから

勝手に戦争映画とかアーティスティックな映画なのかなと思っていたけど…違った

 

退廃的で美しい映像と

激しく交錯する感情や無表情の不気味さ

なんとも奇妙な冒頭から

後半にかけての展開が心地よく不思議な映画だった

自覚していない寂しさの穴に

いつの間にか水が満たされていくような感じ

前半、イライラしていつも怒鳴りまくっているブレンダに気分が悪くなったりしたけど

後からもう一度見たら、あー私もそうだったなと。

子育てと仕事に追われて

物事が思うように進まないとイライラして

感情がゴチャゴチャだった時期が

確かに私にもあったと

もっと余裕を持って人に優しく接することが出来たら良かったなぁと振り返る

 

ヤスミンにも怒りまくるブレンダが

ある時ふっと心を開く瞬間の愛しさ

感情を共有することが出来ると

優しく相手も自分も赦せるんだなぁと思う

 

後半のブレンダの表情の明るさや

ヤスミンの輝く美しさに癒される

 

そしてなんと言ってもあの曲

CallingYou

最初はミスマッチに思ったけど

劇中何度も何度もかかるあの曲に

胸が締め付けられて

映像の美しさと相まって強烈な印象を残す

違う曲だったら

こんな名画になったかな?とさえ思う

音楽の持つ力の凄さよ

悲しいけど美しい

人の想いが風景に投影されて

音楽が感情に呼びかけて

記憶の中に沈殿していくような感覚がありました

 

ところでこの曲

最初のサビのところが

ピッチが本当に微妙にズレている気がするのですが、気のせいかな?

そのほんの少しの違和感に惹き付けられていくような…

もしズレているとしたら

今だったらソフトで簡単に直せてしまうから

私がこんな感覚になることもなかったのかもしれない

 

私は録音でも

相方のこだわりもあって

ソフトでピッチを修正することはしない

その揺らぎもまた

機械的現代の音楽の中で

人間らしい波長?が呼び合う共感もあるのかな、と思っています

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あの給水塔を思い出す景色